路線バスに仕掛けられた爆弾はスピードが落ちると爆発!?

『スピード』(1994)Speed 上映時間:1時間55分/アメリカ

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Everett Collection/アフロ

日本でも大ヒットした、キアヌ・リーヴス主演の『スピード』(1994)もまた、手に汗握る“ワンシチュエーション・サスペンス”の典型的な成功例だった。

警察官が爆発物処理中の怪我で退職を余儀なくされ、十分な補償もないことを逆恨みして警察に挑戦してきたという設定だが、彼が路線バスに仕掛けた爆弾は、時速80kmを超えると安全装置が解除され、その後はその速度を下回ると爆発する。

疾走するバスには様々な乗客がいるが、LA市警SWATチームのジャック(キアヌ・リーヴス)が飛び乗った際に、不法滞在の自分を逮捕しに来たと勘違いした乗客が発砲したため、運転手が負傷。乗客の女性アニー(サンドラ・ブロック)がハンドルを握る羽目に。

スピードを落とせば即爆発してしまう状況の中、高速道路に入ることに成功したものの、行く手には工事区間で15メートルもの道路寸断箇所があると判明!

アニーにスピードを上げさせ、15メートルの隙間を飛び越えることに成功したジャックは、犯人が車内の様子を把握するために仕掛けていた監視カメラを発見。車内の様子を録画してそれをループ再生で流すことで時間を稼ぎ、乗客らをひとりずつ脱出させようとするが……という具合に続いていく。

監督を務めたヤン・デ・ボンはこれが初監督だが、元々は撮影監督を務めていた人だから、疾走感あふれる映像はお手の物。爆弾魔に扮したデニス・ホッパーの怪演もあって予想外に完成度の高い傑作に仕上がった。

製作費は3000万ドル程度だったと言われているが、結果的に全世界で3億5000万ドルを超えるヒットとなり、“ワンシチュエーション・サスペンス”の面白さがツボにはまったときの代名詞のような成功作となった。