乗客満載の旅客機操縦室に小型機が衝突!

『エアポート’75』(1974)Airport 1975 上映時間:1時間47分/アメリカ

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Everett Collection/アフロ

1970年代のハリウッドでは、“パニック映画”というジャンルが大流行した。豪華客船が転覆して天地が逆になってしまう『ポセイドン・アドベンチャー』(1972)、超高層ビルの火災を描いた『タワーリング・インフェルノ』(1974)、人を襲う巨大サメの恐怖を描いた『ジョーズ』(1975)といった作品群だ。

それらの中で、最も手に汗握る“ワンシチュエーション・サスペンス”だったのが、『大空港』(1970)に始まるエアポート・シリーズの第2弾『エアポート’75』(1974)だ。

数百人の乗客を乗せた大型ジャンボ・ジェット機=ボーイング747の操縦席に、心臓まひでパイロットが死亡した小型機が衝突。前面ガラスが破壊され、副操縦士は機外に放り出され、機関士も即死、機長は重傷を負って全く操縦不能になってしまう。

パニックに襲われながらも操縦桿を握るのは、チーフ客室乗務員のナンシー(カレン・ブラック)。もちろん、ジャンボ・ジェット機の操縦方法など知っていようはずもない。地上の管制塔からの指示で何とか山との衝突は避けることができたものの、着陸させるにはどうしてもパイロットを送り込まなくてはならない。さあ、どうする!

この事態に地上では緊急対策会議が開かれ、数千フィートの上空でジャンボ機と同速度にしたヘリコプターから空軍パイロットをロープで降ろして、破損した穴から操縦席へ送り込もうとするがあえなく失敗、パイロットは落下してしまう。

パイロット送り込みに失敗したヘリコプターには、操縦桿を握るナンシーの恋人マードック(チャールトン・ヘストン)が乗っていた。さあ、マードックは恋人を含む数百人の乗員・乗客の命を救うべく、ジャンボ機に乗り移ることができるか……という単純明快なシチュエーション。

乗客には様々な問題を抱えた人たちが乗り合わせていて、それらを大勢の有名スターたちが演じる、という“グランドホテル形式”となっていることも、こうしたパニック映画のお約束だった。