「15発くらい殴られた」強盗被害者が語る恐怖の一部始終

◆千葉県大網白里市のリサイクルショップ「てんとう虫」強盗致傷事件
2023年1月12日午後7時26分頃発生

リサイクルショップ「てんとう虫」に3人組とみられるグループが押し入り、男性店主(76)を暴行。店主は顔を3か所骨折するなど全治2週間のけがを負った。襲撃時の様子を店主は次のように証言した。

〈狛江90歳殺害事件との関連は?〉「『金庫はどこだ?』と尋ねられ、殴る蹴るの後、消火器をまかれた」「現場付近ではお金が舞っていた」捜査のカギとなる2つの強盗事件の詳細_4
襲撃されたリサイクルショップ「てんとう虫」

「本来は午後7時に閉店するのですが、午後6時半ごろに『これから店に行くので閉めないでくれ』と若い男性から電話があったので店を開けたままにして私は事務所にいました。店と事務所はカーテンで仕切ってあるだけなので、7時半ごろに黒っぽい服でフードをかぶった男が店に入ってきたのはわかりました。マスクをしていたので顔はわかりませんでした」

男はカーテンを押しのけて事務所に入ってくるやいなや、足早に店主に近づきいきなり殴打。

「何が起こったのか咄嗟には理解できず、そのまま床にひっくり返りました。続いてもう1人の男が入ってきましたが、頭をかばうように丸まっていたのでこちらも顔はよく覚えていません。
『金庫はどこだ?』と繰り返し尋ねられ、15発くらい殴られ蹴られという状態。後から入ってきた男が私の手足をガムテープで縛ろうとしましたが抵抗して、金庫の場所も答えませんでした。時間にして3分ほどでしたが、生きた心地がしなかった。

私が抵抗するので2人は諦めたのか、結局何も奪うことのないまま後から入ってきた男が持っていた黒いバッグから消火器を取り出し、店内に撒いて逃げていきました。
店前にスライド式ドアを開けたままで停車している黒いワンボックスに2人が乗り込むとすぐに車は走り去っていきました。今思えば狛江の事件のようになっていてもおかしくなかったと思いますし、本当に殺されなくてよかった」

〈狛江90歳殺害事件との関連は?〉「『金庫はどこだ?』と尋ねられ、殴る蹴るの後、消火器をまかれた」「現場付近ではお金が舞っていた」捜査のカギとなる2つの強盗事件の詳細_5
被害を受けたリサイクルショップ「てんとう虫」店主と暴行の診断書
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翌13日、運転手役で自衛官の中桐海知容疑者(23)を千葉県警が逮捕。所持していたスマホから、「東京都狛江市の住宅で“仕事”をする」という情報が解析で判明した。これは結果的に1月19日に狛江氏の住宅で90歳の老女が殺され、室内が物色された強盗殺人事件を「予告」する内容だった。

東京都中野区と千葉県大網白里市の2つの事件をはじめ、一連の強盗事件の実行犯たちは連日逮捕されているが、指示役は今もフィリピンの刑務所にいるといわれている。

これらとも関連する、昨年10月に起きた東京都稲城市の強盗傷害事件の容疑者は「事前に身分や家族構成を伝えてしまっているので、後になってやめたくなっても家族や職場に危害を加えられるのでやめられなかった」「組織から監視されているかもしれないと思い、家族の安全を考えてやめられなくなった」と話しているという。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班