“金属バッド”で殴られて「星出た(笑)」

撮影は、福岡県福岡市と中間市を中心に、関東近郊でも敢行。通常は「制作部」と呼ばれるスタッフがロケ場所を探すが、小沢自らロケ地のコーディネートも行った。

「制作部が探すとだいたい同じ場所になって、役者は『また、ここか』となる。それが嫌だから、俺は知り合いのところを借りるんだ。

例えば、リリーさん演じる財閥の会長の豪邸は、北九州のパチンコ屋の会長の家。事前に挨拶に行って、高そうなカーペットの値段聞いたら『2億かな』とか『この珊瑚は3億』って。それ聞いて、『中では飲食禁止! 床には何にもつけるな!』とスタッフに言った(笑)」

見どころは、解体直前のショッピングモールで撮影したというラスト23分のクライマックス。120人もの敵と大乱闘を繰り広げ、60歳とは思えないアクションを見せる。

“顔面凶器”小沢仁志「動機が不純なほどトレーニングは長続きすんだよ」。還暦とは思えぬ締まった肉体で120人と大乱闘「コンプラもセーフティもねえ!」_3
『BAD CITY』より

「監督が『撮影に3日ほしい』って言うから中間市の市長に頼んだんだけど、『工期が遅れるから1日が限界』と。1日で撮るには、24時間撮り続けなきゃいけない。でも、壁ではなかったよ。そういうのを乗り越えていくのが撮影だし、壁は、ぶち壊しゃいいから(笑)。

当日は、九州の小沢会(後援会)や中間市の婦人会が、ラーメン、豚汁、けんちん汁と、あったかい飯を作ってくれてありがたかったな。

そのシーンで、俺が金属バッドや鉄パイプでバンバン殴られてるけど、あれは硬いプラスチック製なんだよ。曲がんねぇから、当たるとまあまあ痛ぇんだ。でも、遠慮なんかされて、それが映ったら台なしになる。

当ててくんないとリアクションも取れねぇから、『ガンガン来いよ。平気だから!』って。そうして本番、本気で殴ってもらったら、衝撃で星出たね(笑)」

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