「11点差」で開き直れた
――ファイナルステージは2番目の登場で、合計点は944点と、トップバッターのや団を1点上回りました。
きょん この1点は大きかったですね。
――ただ、1本目でビスケットブラザーズに11点差を付けられていたので、逆転優勝は極めて難しい立場でもありました。
きょん 最後までもうちょっとわからない展開にして欲しかったなというのはありましたね。1本目でほぼ決まってしまったというか。ビスブラさんががっつりネタでも飛ばさない限りは、ぶっちゃけ、厳しいなとは思っていました。
西村 でもビスブラさんと1点差とかだったら、欲が出て2本目はあそこまでのびのびとはできなかったかも。逆によかったかもしれない。11点差で開き直れた、というのはあったので。
――ラスト出番のビスケットブラザーズがネタをしているときは、舞台裏にいたのですか。
西村 スタジオの外の別のスペースのところで、モニターを観ていました。
きょん ああ、ウケてる、ウケてるって。僕も普通に笑っちゃいました。おもしろかったので。「松っちゃん(松本人志)も笑ってるじゃん」って。
きょん 松っちゃんがよく笑ってたな。
――あのときも、西村さんは「ウケろ」って思いながら眺めていたのですか。
西村 いや、このときは、もう出番を終えていたので。普段は、まだ自分たちの順番が終わってないときに「ウケろ。でも、俺たちはそれ以上にウケてやる」って考えるようにしているんです。でもビスブラさんの点数が出るときも、低くなれ、とかは思わなかったですよ。
「優勝するまでやります。絶対」
――ビスケットブラザーズの2本目は、1本目に自ら出した史上最高点をさらに1点更新する482点。合計点は、2位のコットンに19点差を付ける963点でした。
西村 こんなに差があるのか、と。絶望しましたね。
――優勝が決まった瞬間のきょんさんの拍手が清々しかったとネット等で話題になっていましたね。
きょん もう「優勝は、そりゃ、あんたたちだよ」って。
西村 それでもやっぱり負けると悔しい。僕らより上に人がいるというのは許せないので。終わってからも、僕は一度も白い歯はこぼさなかったですね。密着カメラが近づいてきても、「はぁー」って。
きょん いやー、悔しかった。
西村 いやいや、あなた密着カメラがきたら「最高でした!」って言ってたでしょ。あれは今後、賞レースに出ないやつの表情だからな。ラストイヤーのやつだから。
――確かにきょんさんは充実感が漂う笑顔でしたよね。
きょん それ、本当に僕でした?
西村 おまえ、おまえ。完全に。
――ニューヨークみたいに賞レースを一時、お休みするとかって、考えるものですか。
西村 1ミリもないです。優勝するまでやります。絶対。
きょん 絶対に。
西村 説得力ねえからな。もう。
取材・文/中村計 撮影/下城英悟
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「キングオブコント2022ファイナリストインタビュー」
ビスケットブラザーズ ♯1、♯2、♯3
ロングコートダディ ♯1、♯2、♯3
や団 ♯1、♯2、♯3
クロコップ ♯1、♯2、♯3