群馬県高崎市、長野県松本市のお雑煮
群馬高崎市
穴ぼこの豆腐が特徴 「つと豆腐雑煮」
高崎市の中でもごく一部のお武家さんが住んでいた地域のみで食べられている「つと豆腐入り」のお雑煮。
つと豆腐は、豆腐を稲わらで包んで長時間茹でて酢がたった穴ぼこが空いている豆腐のことで、江戸時代に流行った豆腐で、「豆腐百珍」という豆腐料理本にも記載があります。
もともとは、福島県や茨城県で作られたものを、江戸詰めで知り、その地域に持ち帰ったという説があり、つと豆腐は一部地域の限定品です。
豆腐にお出汁が染み込み、煮ると美味しいお雑煮です!
長野県 松本市
年取り魚のブリが主役「塩ブリ雑煮」
海なし県なのに、魚?と思われる方も多いと思います。
富山湾で水揚げされた天然ブリを保存がきくように塩漬けし、富山から歩荷(ぼっか)や牛車で約3日かけて高山へ運んでいたそうで、「越中ブリ」と呼ばれていました。
さらに、高山で塩を加えてそこから野麦峠を越えて信州・松本まで運ばれていたものが「飛騨ブリ」と呼ばれるものです。
この運ばれていた道が「ブリ街道」と呼ばれています。
そんな歴史が背景に受け継がれているのが松本エリアの「塩ブリ雑煮」。
このお雑煮は、お醤油仕立てのすまし汁で鶏肉・大根・にんじん・小松菜・かまぼこなどと焼いた角餅が入り、塩ブリがのります。
また、長野県は、大晦日や年越しの食事につける年取り魚が「鮭」と「ブリ」が入り混じっている地域です。松本市などの中南信エリアは「ブリ」で、北信エリアは「鮭」が年取り魚のため、北信エリアのお雑煮は「鮭」が主役です。
エリアによって魚の種類が変わるのもご当地のお雑煮の面白いところです。