コンビニおでんはこの3年で激減
"冬の風物詩"おでん。コンビニに入るとふわっと漂う出汁の香りは冬の到来を感じさせてくれる。ところが、近年、コンビニ店舗におでん鍋を置かないという傾向が広まってきており、おでんを購入できない店舗が増加している。
コンビニでおでんに出会えなくなってしまっている理由のひとつとして、人手不足の問題があるとコンビニおでん探究家の柳生九兵衛さんはいう。
「コンビニ業界では慢性的な人手不足の問題を抱えていますが、なかでもおでんの取り扱いは、衛生管理や調理にも気を使いますし、ある程度の経験値が必要な商品なんです。また、賞味期限も短いため、フードロスのリスクもありますし、薄利で安価に提供していることもあり、コンビニの中では売り上げを伸ばすのが難しい商品でもあります。そのため店舗オーナーの判断によって、おでん鍋を置かないという店舗が多くなっているのが実情です」
また、2020年より続くコロナ禍もおでんの販売に逆風となってしまったという。これまでは自分でトングを持って具を選ぶという楽しみがあったが、感染防止のために店員が取るスタイルが主流に。また飛沫感染などのリスクもあり、店頭に並ぶおでんというものがあまり選ばれなくなったという実情もあった。
コンビニおでんの売り上げはこの3年で激減し、おでん鍋すら置かないコンビニが多く現れるようになった。特にファミリーマートやローソンにその傾向が強い。そんななか、コンビニおでんの元祖・セブン-イレブンは他2社に比べると、今でもおでんを展開している店舗が多いというのが現状だ。
「冬になるとコンビニで好きなおでんを選んで食べるのが楽しみだったのですが、最近では取り扱い店舗も減少し、おでん種の種類自体も大幅に減ってしまっているのはとても寂しいですね」(柳生氏)