高市氏が清和会に送った“メッセージ”
「安倍さんは『高市さん、勉強会をつくって仲間を集めなければいけないよ』と言っていた。志を同じくする仲間との結束を図り、次期総裁選に向けて準備をしろということです。
それを受けて高市さんも、保守系無派閥の国会議員を中心に声をかけて回ったようですが、1年以上経った現在も勉強会は実現していない。自らの人望のなさに、安倍さんに『なかなかうまくいかない』とこぼしていたといいます」(同前)
今回の増税への対応についても、こうした経緯を踏まえると別の見方ができる。防衛費の増額にあたり、当面の財源に関して、生前の安倍氏は、増税ではなく国債で賄うべきだと主張していたことはよく知られている。
「高市氏が示した増税への懸念は、清和会へのメッセージのように聞こえました。安倍さんが亡くなった後、清和会を継ぐ次のリーダーは未だ決まっていない。そんな清和会に向けて、高市さんとしては『安倍さんの遺志を継いでいるのは自分だ』とアピールしたかったのではないか。彼らの支持がなければ、次の総裁選に出馬することなどできませんから」(自民党関係者)
その一方、高市氏は水面下でこんな動きもしていたという。
「高市さんは、ツイッターで岸田政権の増税方針を批判した後も、官邸側とやりとりはしていて、対外的にどんな発言をするか調整をしていたようなのです。
12月13日の会見で高市さんは『(増税批判について)間違ったことを申しあげていない。罷免されるなら仕方ない』とまで言っているが、岸田さんはこうした発言を意に介していない。
つまり増税反対を巡る一連の高市発言は、官邸も了承済みだったとみられているのです」(同前)