高市、稲田両氏の悲しい共通点

今回、岸田政権が打ちだした増税方針に賛同した稲田氏。「彼女は従来から財政政策に関しては規律を重視する立場で、今回の発言もブレてはいない」(永田町関係者)という見方がある一方、こんな指摘もある。

「稲田氏は1年で防衛大臣を辞任した後、当時の二階俊博幹事長に近づくことで、筆頭副幹事長にしてもらったと聞きます。そのことを踏まえると、今回の岸田首相の方針に沿った発言も、別の意図があるのではないかと疑ってしまう。

岸田氏が総理総裁をめざして各地方に個人後援会を立ち上げていた2018年、(稲田氏の地元の)福井県にも個人後援会を設立しています。そのことを知った稲田氏は『私も総裁を狙っているのに、私のお膝元に後援会をつくるなんて』と憤慨していた。

岸田首相の後援会は今もあって、仮に稲田氏が総裁選に出馬すれば大きな足かせになるのに、もう、そのことは忘れてしまったのでしょうか」(自民党福井県連関係者)

お互いに保守政治家であり、将来の首相の座を狙っていることのほかに、高市、稲田両氏にはもう1つの共通点がある。

「それは、2人とも、近くで懸命に支えてくれる仲間がいないことです」(前出と別の自民党関係者)

ポスト岸田の動きが活発化しそうな2023年。2人がその有力候補となるために、のり越えなければいけないハードルはまだまだある。


取材・文/集英社オンラインニュース班 写真/小川裕夫 共同通信社