3位『10円玉チョコ』 株式会社丹生堂本舗
チョコという名のチョコもどきあふれる駄菓子の中でも、成分的には準チョコレートに分類され、10円で食べられるチョコとしてはなかなかのクオリティ。思えばあの頃、森永や明治の板チョコを1枚まるごと食べられる機会はそんなになかった。
それに、今でこそバレンタインの日に自前チョコを買うことなんかも平気だが、当時は男の子がチョコレートをかじるのはなんとなく気恥ずかしかった。でもチョコはもちろん好きだし、食べたい。だからこんなに安く、ささやかにチョコを楽しめる製品はとてもありがたいものだった。
パッケージもラウンディングや蓋フィルムの処理が丁寧で、10円駄菓子の中ではかなり上品である。なお、デザインで体現している通り、この製品のくじは"当たるともう1個"ではなく"現金がもらえる"というとっても実用的なシステムであり、最高額は50円らしい。もっとも、それを当てたという人に会ったことはない。
2位『ミニモンスター』 株式会社やおきん
「うまい棒」のやおきんがリリースしている商品。パッケージに"おいしい!"、"たのしい!"、"かわいい!"、"グミだよ!"など、これでもかと詳細な説明が記され、10円で大切な買い物をする子どもに失敗させないよう配慮がなされている。
砂糖がまぶされた4種のグミ(っぽい)棒を並べて一枚の細長い板のように成形し、「うまい棒」とは対照に各味ごとにシリーズ展開するのではなく、あえて1つに融合させて"フルーツ味"と銘打っている。
そのため、口の中で甘かったり酸っぱかったりいろいろな味が交錯し、何のフルーツかよくわからない漠然とした甘い香りと味を楽しめる。4色それぞれの未知のモンスター=味と戯れる楽しみを、たった10円で提供してくれるのは、さすが駄菓子のパイオニアやおきんといったところか。