5位『花串カステラ』 鈴木製菓有限会社
実家でも売っていた駄菓子の一つ。素直に懐かしく、即座に手にとった。とりわけ、男子より女子に人気があった記憶がある。カステラとかケーキとかいう言葉は、いつの時代も少女の心をつかんで離さない。"花"という、どこにも根拠がない接頭詞も、女子への露骨なマーケティングのように感じる。
味のほうだが、本体はもちろん、周囲にまぶされた砂糖との相乗効果でむちゃくちゃ甘い。この、ぐうの音も出ないくらいの甘さこそが駄菓子の醍醐味だろう。
ところでこの製品、当時実家では大箱に裸のまま詰められて売られており、それを子どもたちが自由に取り出してレジに持っていくシステムだった。今ではちょっとありえなさそうだ。
取材した駄菓子屋の店主も同じ年代だったので、この話をしてみたところ、今は食品衛生などのルール上、基本的には裸で売ることはできないらしい。個別包装の製品が多いのはそんな理由もあるのだろう。
ただ、昔から続いているような古い駄菓子屋はその限りでなく、今も個別包装なしの形で売っている店もあるのだとか。
4位『忍者スクラッチ(ほか)』 ジャック製菓株式会社
今回訪問した店の10円ゾーンの中で最も多かったのが、このジャック製菓の一連のシリーズ。パッケージによって中がチョコだったりラムネだったり仁丹だったりするが、すべてにスクラッチ式の当たりくじや豆知識カードなど何かしらのおまけがついており、子どものワクワク感を引き出してくれる。
パッケージの作りが素人くさい点も10円駄菓子としての雰囲気十分。パッと見のルックスやサイズは似ていても、蓋の素材や印刷方法が均一ではなく、中身もおまけフィーチャーの絵柄もそれぞればらつきがある。