――井口さんは同業者の方からはすごく評価されてると思うんですよね。それこそ、東野さんとか、有吉弘行さんも「アメトーーク!」の芸人ドラフト会議で井口さんを選出されていましたし。ただ、それと比べると一般視聴者からの支持というのは……

一切ない(キッパリ)。こんなに休みなく働いてるのに、どうしたら認めてくれるんだよ! っていうか(笑)。
後輩のストレッチーズとかママタルトはちょっとテレビに出ただけで「売れた!」とかなるのに、ぼくの場合はゴールデンで冠番組持っても認められない可能性があります。たぶん、一生認められないんでしょうね。

――さすがに過小評価されすぎているようにも思えます。

普通、東野さんとか有吉さんとか、佐久間さんが言ったりしたら、いわゆる手のひら返しみたいな、俺は面白いと思ってたみたいになりそうなもんなんですけど。一切ならない。ほんと、どうなってんでしょうね。

「座王」も「うちのガヤ」も一緒

――これだけ忙しくされていると、「正直、これあんまり得意じゃないな……」という仕事が来る時もあるかと思います。

そうっすね……でもまあ、究極全部一緒っすよね、やってることは。結局わあわあ言うだけなんで(笑)。何が来ても全部それにしちゃうっていう、自分がやりやすいようにしてるというか。
どれも正直一緒なんですよね。言ったら恥ずかしいですけど、「座王」とか結局、「うちのガヤ」の時とぼくがやってること一緒じゃねえかっていうか(笑)。

「だから、はしゃいでる後輩とかがムカつくんですよ」 2度目のM−1決勝を控え、いまウエストランド井口が語る仕事とお笑いの現在地‗02

――現場に合わせるのではなく、むしろ自分のやりやすいように現場を変えてしまう(笑)。

まあ、それしかできないですからね。できることならやりたいですけど。キラキラしたこともやりたいですよ。

――井口さんはよく「できることをただやるだけ」というお話をされている印象があります。ある意味、すごく冷めた仕事観というか。

ありがたいことに芸歴3年目とかで「笑っていいとも!」に出させてもらって。正直、そこから何が起きてもそんなに感動しなくなっちゃったんですよね。大御所がいても、まあせいぜい1番組に1組だし、みたいな。
だから自分でも「これ何が楽しいんだろう?」とは思います。テンションが上がることがあんまりないんですよね。

――3年目で芸能界の頂点を体験してしまった。

もうほんと、ザ・芸能界みたいなのをいきなり見てしまったというか。当然嬉しいですよ、ダウンタウンさんに名前を呼ばれたとか、さんまさんと絡んだりとか。
でも冷めてるというか。人生つまんないですよね。だから、はしゃいでる後輩とかがムカつくんですよ。後輩が「ゴッドタン」に出てはしゃいでるのとか見ても、なんにもなんねえよ! うるせえな! とか思って。