殺人鬼一家が作るチリソースがおいしい理由とは?
『悪魔のいけにえ2』(1986)The Texas Chainsaw Massacre 2 上映時間:1時間41分/アメリカ
トビー・フーパー監督が、ドキュメンタリー・タッチの生々しい描写で観客を恐怖のどん底に引きずり込んだ『悪魔のいけにえ』(1974)から12年。再びメガホンをとった『悪魔のいけにえ2』(1986)では、前作でヒッピーの旅行者の男女らを虐殺した殺人鬼一家のソーヤー・ファミリーが、10年以上たって、またやらかし始める。
ソーヤー家は、父と3人の息子たちの全員が殺人鬼で、特に人間の顔の皮を剥いで作った仮面をつけ、チェーンソーを振り回して襲いかかかる4男のレザー・フェイス(ビル・ジョンソン)が有名だ。しばらくなりを潜めていた一家が久しぶりに何食わぬ顔で世間に姿を現したのは、テキサス州ダラスで毎年開催されるチリソースのコンテストだった。
長男ドレイトン(ジム・シードー)はあだ名が“コック”で、一家の食事を作る担当。彼の作ったミートたっぷりのチリソースが、コンテストで2年連続優勝するのだ。
ドレイトンの作るチリソースが美味しいのは、使っているミートに秘訣あり。だが、それが何の肉なのかは……たぶんみなさんが想像する通りだ。
ちなみに、ソーヤー家はヒッチコックの名作『サイコ』(1960)に登場する猟奇殺人者ノーマン・ベイツと同じく、“エド・ゲイン事件”という実際の事件をヒントにドラマ化されたもの。『悪魔のいけにえ2』のチリソースは、もちろん創作だ。