レクター博士が提供した究極のグルメとは?
『ハンニバル』(2001) Hannibal 上映時間:2時間11分/アメリカ
第64回アカデミー賞で最優秀作品賞を含む主要5部門を独占した『羊たちの沈黙』(1991)の続編として、前作のジョナサン・デミからリドリー・スコットへと監督がバトンタッチされて製作されたのが『ハンニバル』(2001)。
ヒロインのクラリス役も、ジョディ・フォスターからジュリアン・ムーアに代わったが、むしろ本作の主役はハンニバル・レクター博士。これを前作同様にアンソニー・ホプキンスが怪演している。
この作品で忘れられないのは、クラリスを使ってレクターをおびき出そうとするものの、逆に行動の自由を奪われた司法省のエリート、クレンドラー(レイ・リオッタ)が、豪華な屋敷のダイニング・ルームで、レクターの提供する料理に舌鼓を打つシーン。
レクターは薬物でもうろうとするクレンドラーの頭蓋骨を切り開いて、脳みそを切り取って調理し、それをクレンドラー自身に食べさせる。脳という臓器は、身体のほかの部位が傷ついたときにその痛みを感じるのだが、脳自体は痛みを感じない(らしい)ので、クレンドラーは自分自身の脳を食べているとは気が付きもしないで、満足げに食べるのだ!
その後、レイ・リオッタを別の映画で見かけるたびにどうしてもこのシーンを思い出してしまったものだ。彼は、2022年5月にロケ先のドミニカ共和国で67歳で亡くなった。