依存行動以外に置き換えていく
実際に、子どもの依存症の治療は、どのような形で進んでいくのだろうか。
「心理カウンセリングなども用いて、まずは『どういう状況になると依存行動をしたくなるのか』、その原因を分析して知ることから始まります。そして、依存行動にどう対処していくかを具体的に考えていきます。
たとえばスマホに依存している子の場合、その子がスマホに触れられるシチュエーションを減らしていきます。『家に誰もいない』『手の届く場所にスマホがある』という2つの要素が揃ったときにスマホをやりがちならば、その機会を物理的に減らす。
自分の部屋ではなく塾の自習室など、人目があってスマホを見づらい環境で勉強するように変えるといった対処法が考えられます」
ほかに健全なストレス発散方法を見つける、相談できる相手や居場所を確保するなど「依存行動とは別の依存先を増やす」方法が、依存症の改善には大切だという。
「やりたくなったときに『自分の気持ちを落ち着かせる方法はほかにもあるんだ』と、実感してもらうことが必要です。
依存行動は、自分ひとりではコントロールできません。周囲の人を巻き込んで協力してもらうことそのものが、本人の治療によい影響を与えます。自分の気持ちを理解してくれる人がいる、協力関係を築けるということ自体もリハビリになります」