どうして焼肉はこんなに高級になったのか?
焼肉店の高級化が止まらない。
かつては1万円を握りしめて行けば、ほとんどの焼肉店で当たり前のようにお釣りを受け取っていた。
いや、1万円どころか大抵の焼肉店では8,000円あれば十分満足できる焼肉を食べることが出来た。
あの頃から20年。
もちろん今でも昔と変わらず安くて旨い焼肉店は存在する。
しかし、お酒を飲まずにウーロン茶でも、お腹が満足するまで食べれば、15,000円を超える支払いは日常茶飯事となった。
かつてはこんな超高級店は都内でも数店しか存在しなかったが、今では当たり前のようにどこにでも存在している。
では20年前と今の焼肉業界は何がそんなに違うのだろうか。
そもそも牛肉の仕入価格が上がったのは間違いない。
それ以外の変化としては、焼肉店で扱う部位の高級化がある。
以前は焼肉店で扱う部位といえば、カルビとして提供されていたバラ(お腹側の筋肉)やロースとして提供されていたモモが主流だった。
そこから1頭買いや希少部位をウリにする焼肉店が出てきたことで、今までは高級ステーキ店やすき焼き店で扱われていたサーロインやリブロース、ヒレといった高級部位を焼肉として食べる流れが生まれたのだ。
そしてこうした1頭買いや希少部位ブームによって焼肉業界は大きな波に乗る。ステーキやすき焼きといった牛肉を扱う飲食店では1つの部位を食べるのが一般的なのに対して、色々な部位を食べ比べることが出来る焼肉の人気は他の牛肉料理を大きく引き離したのだ。