――昨年の開幕前に実施したインタビューで、篠山選手は「もっと自分の存在感を発揮したい」とお話されていました。佐藤HCから「まわりを活かしてほしい」って言われた時は、戸惑いはありませんでしたか?

ありましたけど、「まあ、そう言われるよな」という思いが少なからずあったし、そっちのほうが楽だと思ってしまったところもあるので、だんだん当初の決意より賢次さんの言葉のほうに、悪い意味で流れていった感じです。

そもそも、賢次さんも「攻めるな」と言ったわけでは絶対ないと思うんです。なのに、「シュートを打たないほうがいいのかな」とか「若い子たちに打たせたほうがいいでしょ」とか、自分で勝手に受け取り方を間違えてしまった。そこは昨季の反省点です。

Bリーグ川崎・篠山竜青「頭でっかちにならずに、もっともっと自分を出していかねば」_6

――メディア対応などを見ていても、篠山選手は周りから求められたことを忠実にこなそうという意思が強い印象があります。

そうなんですよ。言われたことをやり抜く「徹底力」は、僕の数少ない武器なんですけど、それが悪いほうに出ちゃった時に、ちょっとよろしくないというか。
北さん(北卓也=現・ゼネラルマネージャー、前・ヘッドコーチ)にも「お前は『これをやれ』と言ったら本当にそれしかやらないな」ってよく怒られてましたね。「だってやれって言ったじゃないスか!」って心の中で訴えてましたけど(笑)。
そこ、今年は頑張って打開しなきゃなって思います。

――いいですね。34歳、まだまだ変わっていく。

はい。髪もチャラチャラさせて、新しい気持ちでやりたいと思います。

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――それでは最後に、今季の抱負をお聞かせください。

チームの目標は「Bリーグ優勝」です。ここ数年は、地区優勝、天皇杯優勝、リーグ優勝の「三冠」という言葉を掲げてきましたけど、今年はそれを狙いつつ、CSのファイナルに立って勝つというところを最大の目標にしないといけないと思います。
具体的に言えば、これまでの「地区優勝の可能性があるなら無理してでもそれを狙いに行く」という姿勢を変えて、地区優勝よりもCSにいい状態で行くことを優先することになるかもしれません。

僕個人としては、リングにアタックする回数を増やしたいし、3ポイントシュートをより高い精度で決めきりたい。
何より自分を出したプレーをしていきたいです。

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インタビュー前編 「骨格ストレートでブルベです」 Bリーグ川崎・篠山竜青が放つ存在感 はこちら

取材・文/青木美帆 編集/星山江里可 撮影/コザイリサ ヘアメイク/山口裕子