もっと自分を出すべきだったという心残りがあります
――昨季の川崎は、天皇杯優勝、Bリーグチャンピオンシップ(CS)セミファイナル敗退という結果でした。昨季はどのようなシーズンでしたか?
クラブ史上初の天皇杯連覇。これはすごく大きかったですね。そして、東地区2位という成績でCSのホーム開催を勝ち取って、一体感を持って試合ができたという点で、クラブ全体の成長をしっかり示すことができたシーズンではあったと思います。
ただ、セミファイナルで宇都宮に2年連続で負けて、Bリーグ制覇にはやっぱり届かず、悔しさもたくさん残りました。
今年は選手全員が「どうしたらファイナルに進めるのか」と自問自答し、答えを追い求めるシーズンになると思います。
――篠山選手の中では、答えは出てますか?
まだはっきりしたものはわからないです。原因は1つじゃないと思いますし、整理は正直全然できてません。
――「整理しない」ではなく、「できない」ですか。
はい。頭で考えてもあまり意味がないというか。結局試合は生き物だし、60試合を戦うレギュラーシーズンはマラソンみたいなもので、途中で何があるかわからないし、試合をしながら探していくしかないかなって思ってます。
もともと頭でっかちになりがちな性格なので、変に答えを出そうとせず、チームスローガンどおり『フルスロットル』でやりたいです。
――篠山選手個人としてはどんなシーズンでしたか。
プレータイムが少しずつ減って、試合に出る局面もだいぶ変わってきて…っていう中で、シーズン当初に賢次さん(佐藤賢次ヘッドコーチ)から「まわりの選手を輝かせるような時間を作ってほしい」というリクエストを受けていました。自分でガンガン攻める藤井祐眞とギャップができて、いろいろなバスケができるという点でよかったのかなと思うんですけど、もっと自分を出すべきだったという心残りがあります。
――確かに昨季の篠山選手は、それまでのシーズンで見せていた存在感があまり感じられませんでした。
ですね。自分はいないことにしてましたから。