常識で悩んでも仕方が無い

続いては、ある宗教の信者である義母のことで悩む新婚の主婦からの相談。押しつけてくる“教え”を拒否したら「私たち夫婦を絶縁」してきたそうです。夫はその宗教に入信はしていたものの、中学生ぐらいから信仰心はなく「絶縁されてよかったとすがすがしい様子」だとか。自分が理由で夫が両親と絶縁したように思えてモヤモヤしている相談者に、マツコ・デラックスさんは「絶縁されてよかったんじゃないかしら」と言います。

〈お義母さんと宗教の関係は、信仰心が厚いというレベルをはるかに超えていて、もはや狂信的といっても過言ではないレベルだと思うの。(中略)結局、宗教がないとお義母さんが生きづらいのであれば、その宗教に理解を示さないあなた方の存在がないことで、むしろお義母さんは幸福を感じている部分もあるでしょうね。旦那さんはとても冷静だし、アナタともうまくいっているのよね? だったら、お義母さんからの歩み寄りがあるのならまだしも、アナタ方のほうから謝ったり、気に病んだりする必要はまったくないわ〉
※初出:雑誌「本当にあった主婦の体験」(ぶんか社)の連載「マツコ・デラックスの愛の人生相談劇場」(2006年8月号~2009年12月号)など。引用:マツコ・デラックス著『あまから人生相談』(ぶんか社、2011年刊)

さらに、マツコさんは「お義母さんを介在させないアナタ方夫婦の幸せ」を追求することを勧めています。「その先に、お義母さんとの関係を修復するできごとがあるのかもしれない、そのぐらいの楽な気持ちになってみては」とも。常識が通じない相手に対して、常識をベースに「嫁としてこれでいいのかな」と悩んでも仕方ありません。どうしようもないのに「どうにかしなければ」と思い続けるのは、厄介な「執着」という一面もあります。

「身内がアヤしい宗教にはまった」の悩みにマツコや美輪明宏らが答える_3