「推し」の存在で性格も人生も変わった
本書はこんな一文から始まっている。
『これは、内向的だった少年がとある芸人を好きになり、周りから「ヤバい」と思われているのにも気付かず推し続けて、夢を叶えた実話である。』引用:※1『ロバートの元ストーカーがテレビ局員になる。~メモ少年~』(東京ニュース通信社)4ページより
『周りから「ヤバいと思われているのにも気付かず…』この一文が、篠田少年の一途さや熱量の高さを物語っている。
篠田少年が「とある芸人」=ロバートと運命の出会いを果たしたのは、小学5年生のとき。ロバートのDVDに収録された名作コント「トゥトゥトゥサークル」に衝撃を受け、ファンとしての人生が幕を開けたのだという。
大好きなロバートの魅力やおもしろさを周りに布教していたら、自然と明るい性格に変化。好きが止まらず、自作のグッズや「ロバート検定」なるwordのテキストも作成。
ロバートが出演するライブに足を運び、そのライブ内容を忘れたくない思いから客席でメモをとることが習慣になった。メモ少年という愛称は、真剣にメモをとる少年を舞台上から見つけたロバート3人が、いじって呼び始めたのが始まりだったという。
その後、中学生になってもロバート愛が止まらないメモ少年・篠田。
このときの少年の夢は「ロバートのメンバーになること」だった。しかし、ロバート・秋山さんから冗談交りに言われた「マネージャーになったらいいじゃん」という一言で、夢が大きく変わっていく。
もし尊敬している推しに同じセリフを言われたら、自分だったらひたすら浮かれてしまうだろう。
ただ、メモ少年は違った。「ロバートと一緒に仕事をするマネージャー」という選択肢を現実的に考え、受験勉強に取り組み始めるのだった。