──ちょっと切なくなってきますね。ちなみに明菜のライバルたちを例えると……

もちろん、ここまで語ったら触れないわけにはいかないのが松田聖子です。当時、中森明菜と同じように活躍していた彼女は、ミスタージャイアンツこと長嶋茂雄かなぁ。誰もが認める大輪の花。明るくてみんなが大好き。80年代のシングルのキーもほとんどが明るいメジャー(長調)。逆に中森明菜はマイナー(短調)中心。でも、記録でいうと落合が長嶋に決して負けていないってとこは、当時の中森明菜と松田聖子にも通じますね。

──中森明菜と同期、「花の82年組」の小泉今日子はどうです?

小泉今日子は歌だけじゃなく、総合的な戦略家ってことで野村克也。当時の小泉今日子の商品性は「コイズミが時代をどう捉えるか」ってこと自体にあって。小泉今日子という存在がアイコンとして輝いていた。そういう意味では極めて頭脳派で、アカデミックに野球を捉えた野村克也と似ていますよね。

──伝説のスター選手というところで、王貞治も出てくるかと思いましたけど……

王貞治ぐらいになると人生よりも野球が上回っているような存在なので、本当に音楽一筋の美空ひばりや、ちあきなおみとか、そっちの感じになりますね。歌に人生を費やしたみたいな。

今年、中森明菜はデビュー40周年ですが。いまだ表舞台から姿を消したままです。近い将来、必ず復帰していただいて、またあの唯一無二の世界観と歌唱力で、我々を魅了してほしいものです。

あと、機会あれば、また例えてみたいですね(笑)。中森明菜、小泉今日子だけでなく、石川秀美、早見優、シブがき隊、堀ちえみ、三田寛子などの「花の82年組」でナインを作ってみたり……。

取材・文/若松正子