KATEが考える女性にとっての口紅
長い歴史の中、常に変わり続けるメイクへのニーズ。今、KATEにおいて、リップアイテムはどのような位置付けにあるのか。若井さんは次のように答えてくれた。
「KATEがターゲットとする10〜20代の女性の中で、口紅はマストアイテムとなっている印象があります。その理由は、1番メイクをしている感が出やすいですし、血色感を含めて顔全体の印象をコントロールできるアイテムだからというのが理由だそうです」
実際、人生で初めてメイクをする時に買うアイテムとして、また、外出時に持ち歩くコスメの1つとして口紅を選ぶ人が多いのも前述の理由からだろう。加えて、口元が顔全体の表情に与える影響が大きいことは、コロナ禍の今、身に染みて実感したはずだ。
また「落ちない唇が求められてきたのは、会話や食事などにより、他のパーツよりも化粧くずれしやすいからだけではない」と若井さんは言う。
「魅力的に見せるだけでなく、自分を表現するという意味でも口紅は時代を問わず重宝されてきました。
いつの時代も落ちにくい口紅が求められてきたのは、口紅が落ちてしまうことで表現したい自分らしさが損なわれてしまったり、顔全体のバランスが保てなくなったりするのを防ぎたいからだと考えます」
唇は言葉を発して思いや感情を伝えるパーツだ。だからこそ、その色や質感が言葉とともに人々の印象に残る。美しいリップカラーが乗った唇は、感情が伝わりやすくメッセージ性も高いのだ。
最後にKATEでは今後どのようなことに挑戦していくのかを聞いた。
「リップモンスターを継続育成して、強いアイテムに育てていくことが、当面の目標です。新商品や限定品を出して話題を作るのはもちろん、パーソナライズされたデジタル体験を含めて楽しめる提案をし続けていきたいですね」(若井さん)
取材・文/瑞姫