ウクライナスタイルを体験してほしい

「本当はもっといろんなメニューを出したいけどコンロが足りないですね!」と物足りない様子のヴィクトリヤさん。現在は提供していないが日本で紹介したい料理がまだまだあるようだ。

「ウォッカを飲んでサーロをつまむウクライナスタイルも体験してほしいです」

サーロは豚のあぶらみの塩漬け。真っ白い脂の塊でインパクトは抜群だ。「ウクライナ料理でこれだけは好きじゃない」と苦笑する裕典さんに「お酒と一緒ならおいしいでしょう」と反論するヴィクトリアさんを見ると、日本でいう納豆のような立ち位置の、クセが強いだけに愛されている一品なのだろう。

「それからボグラーチも。3種類のお肉を使うスープです」

ハンガリーのグラーシュに似た、ビーフシチューのようなイメージのスープだ。きっとボルシチ同様、素材の味がからみ合う美味しい料理なのだろう。なんとか日本語で説明しようと相談してくれるヴィクトリヤさんたちのテンションからはその愛され方が想像され、客としてはぜひ提供してほしいと願うよりほかない。

吉祥寺のウクライナ料理店に行列。避難民家族の“日常の味”が大好評_j
バー仕様の小さなキッチンで行列をさばいている
吉祥寺のウクライナ料理店に行列。避難民家族の“日常の味”が大好評_k
想像以上の人気にボルシチの鍋も足りておらず、営業中に再度の仕込みが必要になってしまうとのこと