S級ライセンス保持者は男性500人、女性10人

――現在、プロで指揮を執るために必要なS級ライセンス保持者が男性は500人以上いるのに対し、女性は10人ほどで、女性指導者の育成が急がれています。ただし、WEリーグでは秋春制を採用しているため、Jリーグで経験を積んだ指導者やコーチが指揮を執りづらいという現状があります。

海外から女性指導者が来るようになればいいなと思っていますが、それもお金がかかります。リーグが露出を高めて、1試合ごとの興行が黒字になれば、海外の指導者や選手を求める余裕も出てくると思います。

――WEリーグは審判を女性に限定していますが、女性審判の数も海外のプロリーグに比べるとまだまだ少ないと聞きます。

WEリーグは『女性が活躍するステージを用意したい』という思いがあって、女性の指導者や審判を育てていきたいんです。ただ、競技力を上げるためには、プロフェッショナルな経験や実力さえあれば、性別は関係ないのでは、との声も各クラブから上がっています。理念と競技力の向上に折り合いをつけるために、選手の声も聞くようにしています。

「ジェンダー平等」と「競技力向上」の両立は可能か? WEリーグ岡島チェアに聞く_c

――各クラブの女性役員だけのオンライン会議を開催されるそうですが、どのような狙いがあるのでしょうか。

今のところ、女性取締役がいるのは8クラブです。まだ、各クラブの女性役員がお互いの顔を知らないので、顔合わせという意味でのカジュアルなミーティングをして横のつながりを作りたいと考え、実施することにしました。実際に顔を合わせて、各クラブへの関わり方を確認することも大切だと思うからです。