電車に接触し、あわや転落死!

ある福祉事業所に勤務しているとき、オーバーワークで体調を崩してしまった。睡眠が浅くなり、朝、起きられない……。

園田さんは44歳で初めて、精神科に行くことに。

「義父の会社に軟禁されて幻視が見えていたときも、精神に異常をきたしているなんて認識はなかったので、医者には行かなかった。

でも、相談室の同僚たちから『あなたも当事者なんじゃないの』と言われて自分でも思い当たる節があったので、(精神障害者保健福祉)手帳を取っておいた方がいいかなと思ったんです。

空気はまったく読めないと言われるし、他の人が考えていることは、いちいち言ってもらわないとわかんない。

特に用件が分からない、知らない人との電話だと相手の想像ができないから、何を言っているかわからなくて、何度も聞き返しちゃう。

事務作業は苦手でメモが上手にできないし、新聞記事より文章が長いものは内容が頭に入ってきません」

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
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検査をすると広汎性発達障害(現在はASD自閉スペクトラム症に含まれる)とADHD(注意欠如・多動症)だと診断された。

通院を始めたが体調はよくならない。仕事の帰りに、駅のホームで電車を待っていたときのこと。入線の案内が聞こえ、気付いたときには電車の先頭に右腕が当たってホームに倒れていた。

「あと一歩で転落ですね。タイミングがちょっと違っていたら、転落して死んでる。ちょうど翌日が診察で、その話をしたら医者の様子が変わりました」

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
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休職を勧められたが「今は仕事を休めない」と言うと、医師に、「電車が止まってドアが開くまで、ホーム真ん中の支柱を両手で抱えて」と指示された。

「もう、やるしかないなと。ただ抱えているのも嫌だから、ミンミンミンって蝉の鳴きマネをして(笑)。今考えたら、ホント痛い人だな。で、入線の案内が聞こえたら、下半身だけ行こうとするの。

ドラマや漫画で“電車に呼ばれる”って聞いたことがあるけど、本当にそうなっちゃうんですね」