親はプロ囲碁棋士、先物取引で一年で億近いお金を稼いだことも…
「輝行は4人きょうだいの末っ子です。上から男、男、女、そして輝行の3男1女。長男は優しい性格で関東地方の養護施設で働き、次男は世界中を旅する人で、2〜3日前に東南アジアから帰国したばかりです。
輝行は家を手作りするような凝り性で、ラーメンなんかも本格的にこだわって作っていたみたいで、レシピもちゃんと書き残してあるんです。出汁の丸鶏とか、砂糖、一味、ラード、醤油とか……そういうふうに細かく書いてあって。
やっぱり、あの子なりに相当勉強熱心だったんだなと思います。努力家で、間違ったことが嫌いな性格だったのかなと思います。いつもここに座って、パソコンを見ていました」
自宅で高林容疑者がいつも座っていた椅子を見つめながら、母親は容疑者の亡き父について語り始めた。
2019年7月7日に亡くなった囲碁棋士の高林拓二氏(追贈七段)のことだ。自身はタイトルには無縁だったが、門下に十段戦2期、碁聖戦1期など主要タイトル保持者である台湾出身の許家元九段らを抱えた名伯楽として知られた棋士だった。
「私は東北の出身、主人は石川県の金沢市出身です。生活費は、主人が囲碁の棋士として稼いでいました。ただ、内輪話ですが主人は昔、先物取引で大失敗をしました。囲碁を脇に置いて儲けようとして、人からお金をたくさん借りてスタートしたのですが、どこかで起きた戦争か何かで金の価格が跳ね上がってしまって。
儲かった時は一年で億近いお金を稼ぎ、札束を抱えて気勢を上げていたこともありましたが、戦争の影響で吹っ飛んじゃった。借りた億近いお金を返すのに、14年かかりました」













