現代の大学や高校は学生に「サービス」を提供する立場に変貌

20代のころはまだ良いが、ぶつ切れの経歴しか書けないまま年齢が上がるとどんどん選択肢が狭まっていく。摩擦に耐えにくい学生が生まれたのは、社会に出る前の学生生活環境の変化にその要因の一つがある。

現代の大学や高校は少子化加速による影響を大きく受け、学生を確保するために、学生に「サービス」を提供する立場に変貌を遂げている。学生は不満があればすぐに窓口や親へ言う。学校側はそれを恐れて履修から就職まで、至れり尽くせりのガイドを用意する。

特に高額な学費を払う彼らは、教育の現場において「磨かれる素材」ではなく、「尊重されるべきお客様」となる。

そんな彼らが社会に出た瞬間、立場は180度逆転する。社会人となって企業に勤めるということは、給料という対価をもらうために価値を提供する側へ立つことになるからだ。

突然真逆の要求をされるのだから、戸惑うのはある種当然である。

しかし学校の立場からすれば、生徒数さえ担保し、彼らが学費を滞りなく払ってくれれば、学生が卒業後どれだけ戸惑っても関係ない。これはZ世代より以前、少子化が加速し始めてから起きている現象だ。

親がエージェント化し職場に介入

中間管理職には受難の時代…
中間管理職には受難の時代…

そして親世代がバブル崩壊後の厳しい社会を生き抜いてきた氷河期世代になってからも大きな変化がある。

自らの経験上「子どもには変な会社につかまって苦労してほしくない」という防衛本能が強く、親がエージェント(代理人)化して子どもの職場にまで介入するケースが以前から珍しくなくなっている。

米国の心理学研究(Schiffrin et al., 2014など)では、過干渉な養育が子どもの「自己決定感」や「有能感」を阻害し、不安感や生活満足度の低下を招くことが示唆されている。親としては良かれと思ってやったことでも、介入し過ぎると子どもの自律性とレジリエンスが育たず、成長を阻害してしまう。

これらの社会的な影響に加えて、前述した退職代行というサービスの台頭によって、Z世代が社会人になった昨今になって、以前からある問題が明るみになってきた。

それは、大学が「お客様扱い」をしてくれる環境に慣れきった新入社員と、今の若者に適した教育法へとアップデートできていない現場の古い体質との、避けられない衝突のことである。

だが、この衝突を乗り越えるために、新卒社員が心得るべきことは意外とシンプルだ。