六本木に若者が集まらなくなったワケ
では現在の六本木が衰退したと言われる理由とは何なのか。
「何をもって“衰退した”と判断するかにもよりますが、クラブに関していえば、たしかに最盛期ほどの盛り上がりには欠けるかもしれません。現在のクラブカルチャーの中心地は、渋谷や新宿に移動しているように思います。
それらの街には、世界的な評価のクラブ、海外有名クラブの支店、新しい“チャラ箱”などがあり、ほかにも外国人観光客から人気の『新宿ゴールデン街』など、クラブに行く前後に楽しめるスポットも充実していたりと、ナイトライフを過ごすのに魅力的な街が増えてきているのです。
また六本木は、新宿や渋谷に比べると、単価の高い飲食店が多く、若者は行きづらい。実際に、六本木と渋谷とで、クラブ客の年齢層を見比べても大きな違いがありました。
これら背景から、クラブ街としての六本木の優位性は薄れてきていると考えられます」
そして六本木というと、『六本木ヒルズ』や『東京ミッドタウン』など、ハイセンスでラグジュアリーなテナントが多くそろう施設が多い。
現在『第2六本木ヒルズ』が着工に向けて大詰めを迎えているが、六本木エリアの再開発を手がける森ビルは、あえて“グローバル・エリート志向”の街づくりを進めていると、菊地氏は指摘する。
「以前、大学生たちに六本木に行く目的について聞いてみたのですが、“気になる展示を見に美術館に行くか、クリスマス時期の特別なデートくらいでしか行かない”といった声がありました。
森ビルをはじめ、六本木の商業施設は、10代や20代の若者たちが、日常的な遊び目的で、友人と食事したり、ショッピングしたりできる気軽な価格帯の場所が少ない。
森ビルが目指す六本木のブランディングが、若者を街の主役として想定していないことは自明です」
六本木に若者が集まらなくなったというよりも、そもそも六本木に漂う“空気感”が若者を寄せ付けない要因となっているのだろうか。
さらにはこんな事情も。
「六本木の立地的な要因も若者が集まりにくい背景にあるかもしれません。例えばクラブに行くにしても、六本木はターミナル駅ではないため、交通アクセスがあまり良くないことは大きな欠点です。
どうしても六本木にある目当てのクラブに遊びに行きたいということがない限りは、ナイトライフをすごす街としては立地的に選ばれづらいといえます」













