君たち、子どもを育てられるの?
西郷 余談になるけど、ゲストティーチャーで来てもらった助産師さんは、授業がとても上手いんだ。つまり、授業の進め方としても勉強になるような内容だった。だから桜丘中学校の先生たちにも良い授業の見本として参観を勧めたんだ。子どもたちも自分のこととして、とても興味を持って授業に食らいついていたので。
性教育について言うと、昔、上智大学の講演でマザーテレサが話されていたのを聞いたこともあり、僕も同じように、「子どもはみんな神の子なんだから産んで育てなさい、命を授かったんだから育てなきゃ」と話してきた。
僕が桜丘中学校在任中に妊娠した生徒が3人いるんだけど、3人とも出産をして、産んだ子どもを母親の養子にしたり、自分自身が若い母親になって育てていった。
そのうち一人は、父親が同級生ということもあり、結局他の学校へ転校して行ったんだけど、それから3か月を過ぎた頃かな、お母さんと二人で、赤ちゃん抱いて挨拶に来た。
かわいい赤ちゃんでさ、その子もうれしそうに笑っていて、お母さんと二人で、「校長先生、テレビ観ましたよ〜」なんてね。子どもができても、中学生だからとか、若すぎるからとか、それをあんまり不幸とか悪いこととか思わないでいい。
でも、性について考えることは大切で、特に男の子はね。責任の半分以上は完全に男の子にあるので。あの思春期の子たちは衝動的で、好きになっちゃうと、いくら性教育を受けていても理屈が通らない。だから、子育てをするのに必要な経済的な話もする。
「君たち、子どもを育てられるの? このぐらいお金かかるんだよ。今遊んで、部活とかやっているけど、部活も進学も一切できなくなるかもよ」というように、ちょっと現実に戻らせる。
あと、ゲストティーチャーの先生は、避妊に失敗した例についても、本当に具体的に話してくれて、かつてこんな悲惨なケースがあったよと。そんな実際にあった事例は強烈で、子どもたちは本当に熱心に聞いてくれるね。
宝上 具体的に聞きたいんですけど、公立の中学で性のことを扱うゲストティーチャーを呼んで来るというのは難しいものですか。
西郷 全然。電話1本でOKだよ。ただその先生一人じゃダメなの。ゲストティーチャーだから、必ず教員免許を持った先生が一緒に授業案を考えるという条件はある。














