米国の迷走が続く限り、笑いが止まることはない
習近平国家主席はそんなトランプを見てほくそ笑んでいるだろう。世界地図の上で起きている現実を繋ぎ合わせれば、北京の執務室の奥深くで何が起きているのかは、容易に想像がつく。
米国の大統領は、中東の複雑な現実から逃避し、イラン政策で迷走を続けている。そして、国内の支持率を維持するためだけに、同盟国の安全を危険にさらすかもしれない危うい取引に前のめりになっている。
自ら作り出した東アジアの空白地帯に、中国の勢力が静かに、しかし確実に広がっていくことにも気づかないままに。エネルギーの安全保障を固め、万全の態勢で会談を待ち受ける中国にとって、現状はこれ以上ないほど有利に展開している。
目先の利益だけを追い求める大統領の姿を見つめながら、長期的な視野で世界の覇権を見据える中国の指導者。米国の迷走が続く限り、笑いが止まることはない。
文/小倉健一













