民謡×ブルースで『ゴット・タレント』ファイナリストに!

――現在のご活動について教えてください。

メインは津軽三味線奏者ですね。最近はフェスやコンサート、プライベートイベントで演奏することも多いです。学校に招かれて演奏したり、ワークショップをすることもあります。あと、一人芝居などの活動もしています。

――あの有名な『ゴット・タレント』にも出場されたとか。

はい。バスキング仲間のギタリスト・ジョージさんと「ジョージ&のりこ」で出場しました。あるとき、彼と遊びでセッションをしたら、津軽三味線の民謡とギターのブルースの相性が 驚くほどよかったんです。あるコンテストでも優勝できて、その賞金を元手にCDも出せました。

その後、2012年に『オーストラリアズ・ゴット・タレント』に出演して、ファイナルまで進出。これには大きな手応えと充足感がありましたね。17年からはソロで民謡に特化した活動もしています。25年のオーストラリア・フォーク音楽賞では、最優秀ソロ・アーティスト部門で受賞することもできました。

2012年、『オーストラリアズ・ゴット・タレント』でファイナリストに選ばれた際の、審査員たちとの一枚。
2012年、『オーストラリアズ・ゴット・タレント』でファイナリストに選ばれた際の、審査員たちとの一枚。

――日本文化を異国で広めるにあたっての苦労はありますか?

いっぱいあります。日本の民謡をそのまま歌っても、観客は言葉にも旋律にも馴染みづらく、飽きてしまうことも多いので、アレンジを加えます。歌い方にブルーステイストをいれたり、テンポを上げたり。「これは『万葉集』に収められた詩をもとにした恋の歌です」といった説明を入れるだけでも、言語を乗り越えて歌を届けることができるようになったりします。

――創意工夫からまた新たな表現が生まれているんですね。

そう言ってもらえるとすごくうれしいです。でも、このスタイルはバスキングでのお客さんとの駆け引きや、こちらで知り合った多くのミュージシャンからの学びがあってこそ。ある種、日本とオーストラリアのコラボレーションだと思っています。

フランスのノートルダム大聖堂でのバスキングの様子。パリの人々も三味線の音色とNorikoさんのパフォーマンスに興味津々。
フランスのノートルダム大聖堂でのバスキングの様子。パリの人々も三味線の音色とNorikoさんのパフォーマンスに興味津々。
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――今後やりたいことはありますか?

これからはヨーロッパ進出に力を入れていきたいと思っています。24年にはヨーロッパ4カ国での演奏も行ないました。これからは徐々に滞在を増やしながら、「Noriko」の音楽を広げていきたいですね。あと、日本企業とのお仕事も増えてきたので、逆輸入の形で日本でも活動していきたいです。

文/おか けいじゅん
写真提供/Noriko Tadanoさん

NorikoさんのHP https://www.norikotadano.com

『世界へ飛び出た100人の日本人』(集英社インターナショナル)
おか けいじゅん
『世界へ飛び出た100人の日本人』(集英社インターナショナル)
2026/4/6
2200円(税込)
320ページ
ISBN: 978-4797674798
世界で生きる日本人100名にインタビュー! アメリカで活動中のゆりやんレトリィバァさん大推薦! 「たった一度の人生、飛び出しちゃえばいい! 世界より未来の方が広い!! レッツゴー!!!」 北欧の建築家、インドの映画監督、小泉八雲の子孫、メキシコでバズった無職、パリのタトゥーアーティスト、ガーナのからあげ屋さん、コールドプレイと共演する人形劇作家、電子国家のエンジニア、ゴミを拾うウルトラマン、日本文学を広める編集者、カリブのDJ、内戦下の日本語教師、東南アジアで売れたお笑い芸人、東欧の空手家、牛糞アートの伝道者、アマゾンの雑貨屋さん、ナポリのスーツ職人、オーストラリアの三味線奏者、シングルマザーを支える社会起業家、南米のタンゴダンサー、ギリシャの料理研究家、etc……百様百様! 笑いあり涙ありの海外生活のリアル!