大学は10日で行かなくなり、通うフリを3年間続けた

地元の中学を経て私立高校に推薦で入った。岡田さん自身は特に行きたい高校もなかったが、両親がいろいろ調べて勧めてくれたのだ。

だが、高校もそれまでと変わらず我慢を強いられる場所だった。

「みんな体がでかくなったから、いじめというか、からかわれるのがきつくなってきた。あと、巧妙なやり方で友だちにお金取られたりとかしましたよ。

私が家にいると、友だちから『カラオケでお金がなくなったから持ってきてよ』と電話がかかってくる。すっごい嫌だったけど、断れないですよ。私、めちゃくちゃ臆病なので。

『学校に行きたくない』と親に言ったことはありますよ。でも、両親の価値観はすごく“普通”なんです。普通に学校に行って、普通に友だちと遊んで、普通に会社に入って、普通に働く。

両親はそこから外れた道を知らないから、『どうやったら学校に行けるのか』と考えるだけなので、そもそも両親に相談するっていう選択肢が存在しなかったんですよ」

高校の入学式の様子(写真/本人提供)
高校の入学式の様子(写真/本人提供)

大学は入学後10日ほどで行かなくなった。だが、親には言えず、通うフリを3年間続けた。電車に乗ったまま何往復もしたり、ファストフード店で時間を潰したり……。

「働きたくないから大学に行ったけど、大学で何をしたいとか、何もない。ゼミとか合コンとか飲み会とかも、全部嫌で。

それまでの人生で、素の自分を出せる友だちって1人もいなかったし、常に私が周りに合わせている状態だったんで、疲れるだけの人間関係を作るのが嫌だった。もう人間と関わりたくなかったんですよ」

ある日、大学から「単位が取れてない」と連絡が来て、行ってないことが親にバレた。

岡田さんは「もう無理だ」と言って大学を中退。その後、近くのコンビニでアルバイトを始めた。

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
写真はイメージです(写真/PhotoAC)

「大学をやめたから働かなきゃいけないっていう、謎の価値観です」

仕事は楽しくなかったが、同僚とも表面上のつき合いを続けた。夜勤もこなし、お金が貯まると辞める。何もしていないと親が心配するのでまたバイトを始める。

途中で一人暮らしを始めた後も、働いては辞めることをくり返していたが、20代後半でひきこもった。