合理主義者が家庭で見つけた「非効率」の正体

──家庭生活は不合理なことの連続だと思うのですが、合理主義者の戦記さんからみてそのあたりはどう折り合いをつけていますか。

家庭は密室なので、その不合理さや非効率性に気付かないことが多いと思います。我が家での気づきは、家事と勉強の相性でしょうか。

たとえば我が家では、料理が妻の担当、それ以外が私です。で、娘の学習管理も私がしてきました。料理と学習管理は相性がよくないんですよね。料理はそもそも火を使うし、夕食の準備をする時間帯と勉強の時間帯が丸かぶりで集中がしづらい。

そういうわけで、妻は料理に集中してもらって、ほかの家事は基本的にすべて私が引き受けることにしています。

──ネットで「モラハラ」とか言われている戦記さんがほとんどの家事を引き受けているのは意外ですね。単純な楽しさもありますか。

あると思いますね。掃除にしても洗濯にしても、「やった分だけの報酬が必ず返ってくる」点がいいと思います。仕事ではそういうわけにはいかないですよね。

取材の後半では戦記さんの素朴な一面が見えてきた
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──仕事をして、娘さんの学習管理もして、家事もして、そのうえ発信活動もするのは相当たいへんそうですね。

基本的にひとりでいるときしか発信しないんですよ。誰かとご飯を食べているときにはスマホは触りませんし。家族といるときは会話と家事があるので。これは受験における鉄則と同様ですが、「いろいろ頑張る」は間違いで、「何をしないかをまず決める」ことが効率化につながると私は考えています。

──投資家でもある戦記さんは、資産運用などにおいて「早期から始めることの大切さ」を説かれていて、それは娘さんの学習でも実践されていますよね。

そうですね。たとえば娘は中学受験と並行して数学と英語をやっていたので、中学入学のときにそこそこの“貯蓄”がありました。投資における複利効果と同様に、早い時期に始められれば、前倒しに学習を積めるため、有利になるのだと考えています。特に英語は複利効果が大きいですね。

──投資家としても成功され、娘さんの学習管理も相応の結果が出ています。人が一生をかけて築こうとしているものがすでに完成されつつあるわけですが、そんな日常において“テンションが上がる瞬間”はあるのでしょうか。

テンションが上がる……いい質問ですね……。私は2024年に「人生2回転目」だと思って、8月にお遍路(四国八十八ヶ所霊場巡礼)をして死に装束まで準備してあります(笑)。いまさら自分に関することでテンションが上がることはもう少ないかもしれませんね。

ただ、たとえば私が誰かに貢献することができたときは喜びを感じるかもしれません。家族でも他人でも、誰かが成長していく姿をみるのは今でもうれしいですよね。

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取材・文・写真/黒島暁生