「替天行道」の旗が揚がった
ーー二巻はどうでしたか。
やっとというか、水面下で動いていたものがようやく表に出てきて、いよいよ戦いが始まったという感じですね。
先日、ドラマの撮影で初めて「替天行道」の旗を見たんです(インタビュー時はドラマ撮影中)。巨大な宋という国に立ち向かおうとしている男たちが「替天行道」という言葉を胸に、旗の下に集まって決起する。胸熱でしたね。見ていてゾワゾワしました。
二巻もまさに「替天行道」にまつわる話が多く、最後まで一気に読んでしまいました。
ーー二巻の冒頭は武松の物語ですね。
そうですね。虎を素手で倒した男、武松。面白かったのは、手がとんでもなくでかいというところです。
「夜ごと、何千回も大木を殴り続けるので、武松の拳はいつの間にか人間のそれとは思えないようになっていた。色は黒く、皮は厚く、石を叩き割っても血が出ることがなかった。」
(北方謙三『水滸伝』第二巻「替天の章」集英社文庫 p.21)
実際に撮影でも武松(演:伊藤健太郎)の手がすごく大きいんですよ。グローヴをはめているんですけど、超リアルで本物みたいなんです。
ーー二巻では、武松がどういう人間か、かなりのページ数を割いて描いていますね。
武松と潘金蓮のくだりが印象に残りました。武松は潘金蓮 のことが初めて会った子供の頃から好きで好きで好きで仕方がなかったのに、お兄ちゃんと結婚してしまった。その思いが悪い形で爆発してしまうという悲劇なんですけど、とにかく抱きたかったという思いとその表現がストレートなんです。
「俺を、愛してくれ、潘金蓮。愛すると言ってくれ。俺は、その言葉だけを欲しくて、生きていたような気がする」
(北方謙三『水滸伝』第二巻「替天の章」集英社文庫 p.40)
武松はかなりすてきな役どころだなと思いました。














