中東情勢混乱の長期化は、さらなる価格上昇圧力に
これは戸建て住宅に限った話ではなく、マンションにも影響が出る可能性が高い。
現在、首都圏の不動産市場は建築コストの高騰や人手不足により圧倒的な供給不足の状態で、特に新築マンションは需要に対して足りていない状況が深刻化している。建材の不足が顕在化すれば、こうした傾向がさらに加速する可能性がある。
新築市場だけではなく、建材不足は中古住宅市場にも影響を及ぼしそうだ。使用感のある中古住宅を流通させるためにも、見た目を綺麗にするリフォームは欠かせない。
仮に建材不足でリフォームが止まれば、中古物件の流通が停滞するようになる。こうなれば、ただでさえ足りない物件の供給が滞り、需給バランスがさらに引き締まることとなる。
東京カンテイによると、1月時点での東京23区の中古マンションの価格は前月比1.4%増の1億2123万円となっている。中東情勢混乱の長期化は、さらなる価格上昇圧力となる。
ナフサに限らず、原油価格の高騰は不動産の購入者側の懐も直撃しそうだ。春闘のシーズンを受け、連日のようにベアや初任給の上昇といった景気の良い賃上げのニュースが流れるが、あくまでこれは大企業の話。大企業に勤務する人の割合は日本の就業人口の3割程度に過ぎず、残り7割は中小企業だ。
住宅価格が上昇するのに購入者の実質所得は減少する
中小企業の従業員を中心とした労働組合の中央組織「全労連」によると、今年の春闘の賃上げの平均値は8106円で、2.74%増にとどまる。25年の物価上昇率は3.1%(生鮮食品を除く)であり、物価上昇に届いていない。
日本政策金融公庫の中小企業景況調査によると、25年10〜12月期の時点で、景況感を示す「業況判断DI」は2期連続で低下。中小企業にとって、賃上げをしたくても、原資がないという状況だ。
日本政府は電気やガスへの補助金やガソリン減税といったバラマキ策によってインフレを無理やり抑えている状況のため、今回のイラン情勢に伴う原油相場の上昇は消費者を直撃する。
すでに外国為替市場で1ドル160円近い水準まで円は売られており、物価上昇が加速することは確実な情勢だ。ホルムズ海峡の封鎖が続けば、住宅価格が上昇するのに購入者の実質所得は減少するということで、中間層の住宅不足が深刻化する可能性がある。













