経験と人脈を駆使して国政を動かしたと強調
「法制度が、被災した人は指定避難所に入るものと想定しており、自宅などに自主避難している人には支援が行き届かなかった」と語り、災害対策基本法に福祉の観点が抜けていたと指摘した。
さらに、過酷な環境となった1.5次避難所についても、「もともと1.5次避難所は(中略)一時的なトリアージの施設として立ち上げました」「ところが開所すると、介護が必要な高齢者がどっと入ってこられた」と語り、想定外の事態であったことを強調した。
その上で、国の支援制度の壁に対しては自らの政治力を活かしたと胸を張る。「被災者生活再建支援制度では、住宅の再建に対して最大300万円しか支給されないことになっていましたが(中略)岸田首相に電話し、直談判しました」と明かし、結果として高齢者や障害のある世帯には特例的に最大600万円まで支給されることになった成果をアピールした。
また、問題視された災害対策基本法についても、「25年5月の法改正で、『福祉サービスの提供』が法律として明文化されました。私たちも、この改正を国に強く働きかけました」と述べ、自身の経験と人脈を駆使して国政を動かした実績を強調している。
報告書ではこのほかにも、災害広報においてデジタルになじみのない高齢者に情報を届ける仕組みが欠如していた点や、デジタル技術の活用において紙ベースの入所者管理が多くデータ化に苦慮した点が検証されている。様々なデータを各団体ごとに収集・保有する中で、名簿等個人情報の共有にも時間を要したことが明らかになっている。
知事に対する県民の不満や不信感が選挙の敗北に直結
このように知事からの明確な反論や法的な限界の主張はあったものの、災害時における初動の遅れや県の想定不足が公的な検証結果として詳細に記録された事実は重く、結果として、トップである知事に対する県民の不満や不信感が選挙の敗北に直結したとみられる。
政党の支持動向からも、現職の敗因が明確に読み取れる。馳氏は自民党の県連から推薦を獲得し、全面的にバックアップを受けて戦ったほか、日本維新の会からも推薦を受けていた。しかし、TBS NEWS DIG(3月8日)が報じた出口調査のデータによれば、この巨大な組織戦が機能不全に陥っていたことがわかる。













