ルッキズムなくならないけど感じる違和感

ルックス至上主義の極みともいえるアイドル業界の中で、容姿によって逆説的な評価を得た藤田は、ルッキズムをどのように捉えているのか。

「正直、ルッキズムはなくならないと思います。私自身、美しくあることで得したいと思うのは理解できます。ただ、本来は人の数だけ美しさの形があるべきなのに、痩せていないと美しくないという価値観に縛られることには疑問を感じます。

他人の体型に口出しをすること自体が、あまり品が良いとはいえないと個人的には感じてしまいます」

ビフォーアフターをSNSで投稿するたびに話題に
ビフォーアフターをSNSで投稿するたびに話題に
すべての画像を見る

必死にアイドル活動している最中には見向きもされず、あきらめてありのままをさらけ出したとき、人からの関心を得られる。それはSNSでの評価のみならず、身近な人からの愛情も同じかもしれない。

「幼少期から今までの人生で学んだのは、『泣いていても人は助けてくれない』ということです。人間って、傷があると他者をカウンセラーとして代用しようとすると思うんです。でも、助けてと叫べば叫ぶほど、人は離れていきます。

親子関係においても同様です。『お母さんだから◯◯してくれて当然』と期待していると、欲しい愛情が手に入らないことに悩む場面が必ず出てきます。あきらめて、都合よく考えることが、きっと自分を楽にするんじゃないかと私は考えています」

今後の活動について、「新しいバンドでの作詞など、表現や創作の方面で活躍していきたい」と藤田は語る。「誰かが病んでしまうのは、原因をたどればそれなりに理由があるはず。そんな人たちにそっと寄り添えたら」。

かつての自分自身や母親のような人たちに向けて、藤田はこれからも社会に向けて言葉を投げかけ続ける。

取材・文・撮影/黒島暁生