お酒をやめたら意欲が湧いてきた
病院ではアルコール性肝硬変と診断されて即入院。いろいろ検査をしてみると悪いところは肝臓だけではなく、大腸に大量のポリープが見つかった。うち3つはがんになる可能性があるため、ポリープの切除手術を行うことに。
しかし、血小板をつくる肝機能が働かないため、大腸の創部から出血が止まらなくなってしまった。そのため、術後2週間は一切動けず、食事もとれない寝たきり生活に。
「強制断酒ですね。でも不思議とそんなに飲みたい気持ちにならなかった。それまでは常に目がチカチカ、耳鳴りもしていて体は重く、何もする気がおきなかったんですが、寝たきり生活を1週間も続けていると、だんだんと意識がクリアになっていくことに気がつくんです」
こうしてブルさんは2カ月間の入院生活ですっかりお酒を断つことに成功。アルコール性肝硬変は、一度なってしまうと元の状態に戻すことは難しいが、段階によっては徹底禁酒することで肝機能は安定化する。
退院して5年以上が経過した今も、ブルさんはお酒を飲みたくなることはないという。
「だって、お酒を断ってからはいいことしかありませんから。仕事への意欲も満ちてきて、アメリカの女子プロレス団体『SUKEBAN』のコミッショナーやブッカーをやらせてもらったりといいこと尽くめです。
以前はずっと家の中にいて電話も取りたくないし、メールもしたくない。外部と遮断して自分だけの世界にいて、なんて無駄な時間を過ごしていたんだろうと思います」
そしてもうひとつ、お酒をやめてよかったと思うことについて「自分の心で言葉を発せられるようになったこと」だとブルさんは話す
「旦那や両親といった家族に『ありがとう』や『ごめんね』って言葉を、以前は恥ずかしかったからお酒の力を借りてしか言えなかった。友達や仕事仲間だとシラフでも言えるんだけど、家族だとどうしても照れくさくて。
入院して家族にはめちゃくちゃ迷惑をかけたから、退院したときに『ありがとう』と本心から感謝の気持ちを伝えられたのが、お酒をやめて一番よかったことですね。まぁ、ここ(取材場所となった現役時代の盟友が経営する居酒屋「かおちゃん家deめしくい亭」)で言うことではないんですけど(笑)」














