壊滅どころじゃない…「期待」はなぜ「失望」に変わったか
比例名簿の統合、そして「中道改革連合」としての新党結成。官公労系の労働組合と創価学会という、かつては水と油とされた二つの巨大組織が握手をした瞬間だった。
しかし、結党からわずか10日余り。船出の熱狂は、冷酷な数字によって打ち砕かれた。 2月1日、朝日新聞が配信した情勢調査。そこには「自民・維新、300議席超をうかがう」「中道、公示前から半減も」という衝撃的な見出しが躍った。産経新聞の調査もこれに追随する。
「パニックだ。これは壊滅どころの話じゃない」
中道の若手候補は、自嘲気味に肩を落とす。もし調査通り中道が70議席前後にまで沈むとすれば、立憲出身議員の選挙区当選は40人程度にとどまる計算だ。これは、民主党政権が崩壊した2012年の「57議席」という大惨敗をも下回る歴史的な敗北となる。
なぜ、これほどの逆風が吹いているのか。分析を進めると、二つの構造的な要因が浮き彫りになる。
第一に、野党第一党の「アイデンティティの喪失」だ。立憲民主党が「左」から「真ん中」へ移動したことで、脱原発や安保法制の廃止を訴えてきたコアな左派支持層が離反。一方で、保守化する無党派層や現役世代からは、「野合」と映った今回の合流に強い拒否反応が出ている。
中道に流れるはずの無党派票を奪い取った政党とは?
第二に、国民民主党の玉木雄一郎氏による「第三極」としての存在だ。中道の結成により候補者調整の枠組みが崩壊したことで、国民民主は100以上の選挙区に候補擁立を進めた。
立憲・公明の「古い組織選挙」に対し、現役世代の「手取りを増やす」政策を掲げた国民民主が、中道に流れるはずの無党派票を取り込んでいる構図だ。
対照的に、高市総理は仕掛けた大博打に完勝しようとしている。
「公明の組織票を失ってなお、これだけの支持を集めたのなら、もはや誰も逆らえない『女王』の誕生だ」
自民党ベテラン議員は、複雑な表情を浮かべる。かつての「自公協力」という重しが取れたことで、高市首相はより鮮明な保守路線へと舵を切ることが可能になる。
街頭演説で高市氏が語るのは、かつての小泉郵政解散を彷彿とさせる「力強さ」だ。食料品への消費減税というポピュリズムに近い政策を掲げつつ、その裏では「スパイ防止法」や「国防力の抜本的強化」といった自身の悲願を、勝利の勢いで一気に推し進める構えを見せている。













