混迷か夜明けか…「女王」の誕生と、迫り来る「サナエ・ショック」
だが、この圧勝の先に待ち受けるのは、薔薇色の未来だけではないようだ。市場はすでに、高市氏の「積極財政」と「円安容認」とも取れる姿勢に神経を尖らせている。
かつて英国のトラス首相が掲げた大幅減税策が市場の信頼を失い、ポンド暴落を招いた「トラス・ショック」の日本版すなわち––––「サナエ・ショック」への懸念だ。
選挙後に自公のブレーキを失った高市政権が暴走すれば、日本経済は未知の混乱へと突入するリスクを孕(はら)んでいる。
8日の夜、テレビの開票速報で当確の赤い花が並ぶとき、日本政治の風景は一変するだろう。旧民主党時代から続いたベテランたちの落選が相次げば、野党は強制的な世代交代を迫られる。玉木氏率いる国民民主党や公明を軸とした、新たな野党再編の号砲が鳴り響く。
一方の与党側でも維新という「アクセル役」を得た自民党が、右派的な純化を強めていくのか、あるいは自民内の緊縮財政や消費税維持派が「抵抗勢力」として立ちはだかるのか。
いずれにせよ、これまで我々が慣れ親しんできた「政界の力学」は完全に崩れ去る。
それが、国民が選んだ「成熟」への道なのか、あるいは終わりのない「混迷」への入り口なのか。8日夜、我々が目撃するのは、新しい日本政治の「産声」か、あるいは「終わりの始まり」か。その答えは、間もなく明らかになる。
文/今野忍













