ワインと富裕層の支出哲学

富裕層の支出の中で興味深いのは、ワインに対する姿勢です。

ワインは一見「飲んでしまえば消えてなくなるフロー支出」に見えます(実務的には、消費した時点で費用化するため、在庫として管理しカウントしていただきます)。しかし、富裕層にとってのワインは、ただの嗜好品ではなく、ストック的な要素も含んでいます。

ある方のゲストハウスにはワインセラーが設けられ、数十年先を見越して良質なワインがストックされています。これは「飲むための消費」であると同時に、「熟成による価値の上昇」という投資の側面も持っています。実際、希少なヴィンテージワインは数年で価格が数倍になることも珍しくありません。

けれども、本質的に富裕層がワインを買う理由は、投資価値だけではありません。ワインは人と人とをつなぐ道具であり、会話を深める媒体でもあります。

特別な一本を開ける瞬間には、「誰と飲むか」「どんな時間を共有するか」という意図が込められています。ワインは場の記憶を残す装置でもあるのです。

さらに、ワインへの支出は教養の側面も含んでいます。産地やブドウの品種、歴史や文化背景を知ることは、国際的な場で会話を広げる大切な教養です。スポーツやアートと同じように、ワインもまた「世界と対話するための共通言語」なのです。

このように、一見フロー的な消費に見えるワインも、富裕層にとっては「体験を深める投資」「人間関係を育てる投資」「教養を積む投資」へと姿を変えているのです。

富裕層は高価なワインを誰と飲むかを大事にしている 写真/shutterstock 写真はイメージです
富裕層は高価なワインを誰と飲むかを大事にしている 写真/shutterstock 写真はイメージです
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億万長者になるお金の使い方 富裕層の領収書1000万枚見てきた税理士が教える
森田貴子
億万長者になるお金の使い方 富裕層の領収書1000万枚見てきた税理士が教える
2025/10/31
1,760円(税込)
296ページ
ISBN: 978-4815630539

富裕層でいつづける人の領収書には、たくさんの共通点があった!

富裕層専門税理士である著者は、長年、富裕層の栄枯盛衰に伴走し、これまで1000万枚もの富裕層の領収書を見てきました。
そんななかで、あることに気が付きます。

――富裕層でいつづける人の領収書には、たくさんの共通点がある!

領収書は「何にお金を使っているのか」を教えてくれるだけではありません。
お金の使い方は、その人の価値観を面白いくらいに反映しています。
生活習慣やなにに投資しているか、優先していることも手に取るようにわかるのです。
そして、富裕層の多くは、なににお金を投じるか、一つひとつ真剣に考えることを積み重ねた結果、お金持ちになっている、と著者は言います。

そこで本書では、富裕層のなかでも、一代で事業を立ち上げ、ゼロから富を築いた「起業家富裕層」の領収書の共通点を探っていきます。
「どうせお金がないから真似できない」と嘆くのは早計です。
サラリーマンでも学びになる話を中心にまとめています。
お金持ちになる準備が整い、お金持ちに一歩近づくことができる、そんな一冊です。

はじめに 富裕層専門税理士という仕事
第1章 1000万枚の領収書からわかった「本物の成功法則」
第2章 富裕層の支出哲学を支える「思考と習慣」
第3章 「継続的に学ぶ人」ほど富が拡大する
第4章 「健やかな心と体」こそ最大の資本
第5章 「つながり」という財産が人生の質を決める
第6章 富裕層の「資産をつくる」お金の使い方
第7章 富裕層に学ぶフローの支出哲学
おわりに

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