富裕層は情報をコントロールする

以前、ある経営者のゲストハウスの壁が数メートルの高さにもわたることを批判する記事を読んだことがあります。でも、壁が高い設計やゲストハウスを所有していることは叩かないであげてほしいと思うのです。

大切な人を安心して迎えるため、プライバシーを守るため、安全を確保するための見えない価値に、富裕層はお金を使っています。

空間づくりや設計に込められた、もてなしの哲学に基づく「お金の使い方」として見てみると、その本質が少しずつ見えてくるのではないでしょうか。

一方で、住んでいる場所や別荘の有無など、自分のプライベートをほとんど見せない富裕層も少なくありません。あえて語らないのは、ただ控えめだからというよりも、余計な嫉妬を生まないためであり、何より自分や家族を守るためでもあります。

富を見せることは、時として思わぬ誤解や敵意を招いてしまうこともあります。そのため、彼らは、あえて生活のにおいを外に出さず、情報もきちんとコントロールしています。

プライバシーを守るためにあえて高くする 写真/shutterstock 写真はイメージです
プライバシーを守るためにあえて高くする 写真/shutterstock 写真はイメージです

この「見せないという選択」は、実は、私たち一般の人にもとても大切な視点かもしれません。たとえば、SNSでの発信内容に少し配慮すること。誰とどこに行った、いくら使った、といった投稿は楽しくても、見る人によっては違った意味に映ることがあります。

信頼を築くのは「どれだけ見せるか」ではなく、「何を見せ、何を見せないか」の選択です。「見せる」ことと「見せない」ことの情報戦略とお金の使い方は、富が長く続く富裕層が意識しているポイントです。