理想は随意運動を思うままに

〝緩む〟と〝縮む〟が思いどおりにできること。

それは「全身のどこでも、頭で思い描いたとおりに動かせる」状態に近づいているとも言えるだろう。

そして、それこそがプロアスリートたちがみな目指している理想の状態でもある。

たとえばゴルフを想像してみてほしい。

ボールが止まっているのだから、誰だって自分の思ったとおりに身体を動かせれば、上手にプレーできるはずだろう。

写真はイメージです 写真/Shutterstock
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しかし実際には私たちの多くが、思ったとおりにボールにクラブを当てることはできないし、思ったとおりにボールを飛ばすこともできない。

一方で、「1ミリ単位のパフォーマンスの差で勝つか負けるか決まる」というシビアな世界でしのぎを削っている一流プロゴルファーの多くは、イメージどおりのフォームで、イメージどおりにボールを飛ばし、イメージどおりの飛距離を出すことができている。

それは、自身の身体を思いどおりに動かせているからだ。

専門用語で表現すると、これは「随意運動」が思うようにできている状態と言える。随意運動とは、脳から筋肉に指令を出し、筋肉を自分で動かす運動を指す。

その反対語は不随意運動といい、筋肉が勝手に動く運動を言う。たとえば熱湯に触ったとき、「熱い!」と咄嗟に手を引っ込めるだろう。

あの動作は頭で考えているわけではないので「不随意運動(反射)」だ。自分で考えるよりも先に身体が動いている。