「運動神経が良い」とは随意運動の精度と速度が並外れていること

一方で、車でドライブしているときに、危険を察知して急ブレーキを踏む動作は「随意運動(反応)」である。

「危ないかも」「ブレーキを踏まなきゃ」「左足を動かせ」といった神経伝達の流れで意識して行う運動である。

写真はイメージです 写真/Shutterstock
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一般的に、アスリートなど「運動神経が良い」とされる人は、こちらの随意運動の精度と速度が並外れている。

それだけでも、人体としては素晴らしい状態なのだが、世界最高峰のプレミアリーグや欧州の5大リーグと呼ばれるプロサッカーリーグで活躍を続けるためには、随意運動のレベルをさらに1段階、2段階引き上げなければならない。

そのためには、〝緩む〟と〝縮む〟が思いどおりにできる身体づくりが欠かせない。

これは決してアスリート限定の話ではなく、皆さんもすぐに体感できることだろう。

「筋肉を縮める」と、身体に与えられたダメージや疲労をゼロに戻すのみならず、「前よりもむしろ調子が良くなった」、そんな地点さえ目指すことができる。

アスリートにとっては「随意運動の精度も上げられる」一石二鳥の効果が見込まれるし、私たちにとっては「昨日より調子がいい」感覚を得られるのだ。

だから私は吉田麻也選手をはじめ、すべてのクライアントに「随意運動が誰よりもできる筋肉」をまとってほしいと思いながら、「縮める」治療に向き合っている。

筋肉の収縮を取り入れることによって、アスリートとしての身体能力に磨きがかかったケースはたくさんある。

ここでは、ジェームズ・ウォード=プラウズ選手の特徴を少しお話ししよう。

プラウシー(彼の愛称)は1994年生まれのイングランド人で、本書執筆時点では「ウェストハム・ユナイテッド」という古豪に所属している。

彼の直接フリーキックのゴール数は、サッカー発祥の国イギリスのプレミアリーグで歴代2位。

歴代1位のデビッド・ベッカム氏の記録数まで「あと1つ」に迫っているキックの名手である。