リターン(出戻り)ライダーはここに注意!

「オートバイのブームはこれまでも度々訪れ、2008年に起きたリーマンショックのころにもライダーが増えた時期がありました」という横山さん。

今回のブームでとくに増えているのは、昔はバイクに乗っていたが、いったんオートバイから降りて、子育てや仕事が落ち着いてから再び戻ってきた「リターンライダー」の存在。かくいう筆者もその一人だ。リターンライダーの多くが、コロナ禍で公共交通機関以外の移動手段の必要性を感じ、オートバイを選んでいる。だが横山さんはそんな彼らにこんな注意を促す。

「とくにブランクを経て再びオートバイに乗るリターンライダーは、スピードを抑えて安全運転を心がけてほしい」

リターンライダーは過去に経験があるだけに、運転技術にそれなりに自信があるだろう。しかしバランス感覚や反射神経は若いころに比べ落ちているのは間違いない。横山さんの言葉は当たり前のようだが、改めて真摯に受け止めるべきアドバイスと言えるだろう。

もはやドライブレコーダーは必須

安心のために役に立つのがドラレコ(ドライブレコーダー)だ。

「納車1年待ち」原付二種人気を牽引するスーパーカブの魅力_h
煽り運転問題の影響もありドライブレコーダーを搭載するライダーが急増したのも今回のブームの特徴。写真は前後2カメラ搭載の定番機種「デイトナ Mio MiVue® M760D」

最近では自動車と同じ様に、前方だけでなく後方も同時録画できる2カメラモデルも登場。ドラレコは取り付け工賃を含めると3万円程度からと決して安くはないが、ヨコリンでは顧客が事故にあった際、ドラレコの映像が証拠となり相手の過失が証明されたケースがすでに数件あるのだという。

コロナ禍が過ぎても人気は続く

数々の魅力で注目される原付二種だが、世界規模の半導体などの供給の遅れや、輸送コンテナ不足による品薄がネックとなっている。新車が手に入らないとなれば中古に目が向くが、「今すぐ欲しい」というニーズもまた多く、新車価格を超える中古も珍しくない。

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スタイルに大きな変化はないが、エンジンやブレーキなど走行性能に関わる部分は着実に進化しているのだとか

「世の中が落ち着けば、車体の供給もスムーズになり入手しやすくなります。安全でかつ気軽に乗れる原付二種ブームが世界規模で続いていってほしいですね」(横山さん)

最近では、バイクのレンタルサービスも登場しているので、購入せずに気になるモデルを気軽に試すこともできる。「自分にも乗れるかな」と気になっている人は原付二種の世界を体験してはいかがだろうか。
(撮影/杉山元洋)