ビジネスバイクから趣味のバイクへ
スーパーカブは安価で気軽にカスタマイズできる点も人気の理由の一つ。ヨコリンは純正パーツの組み換えによるカスタムを手掛ける先駆者として知られている。
「スーパーカブの魅力は、小さくても『バイクらしさ』をしっかりと感じられること。そして、自由にカスタマイズを楽しめる懐の深さにあります」(横山さん)
お店の出前や郵便配達といった“働くバイク”というイメージがあるスーパーカブだが、カスタムして街乗りを楽しむユーザーは今回のブーム以前から存在していたのだそう。
2008年ごろからスーパーカブを趣味のバイクとして乗るライダーが増え、「カブはカスタムすればもっと面白くなる」と思いたった横山さん。試行錯誤しながら、信頼性の高い純正パーツを活かしたカスタマイズのスタイルを確立した。
例えば、横山さんが見せてくれた純白の車体は、新聞配達などでおなじみの「スーパーカブ110プロ」をカスタマイズした車両だ。元々の色はブルーだが、兄弟車種用の純正パーツを流用しホワイトに統一。カブらしいデザインや信頼性を損なうことなく、エレガントに仕上げている。
「新聞をたくさん積んでもびくともしないキャリアの積載性を活かして、キャンプやツーリングなどを楽しむユーザーも増えました」(横山さん)
また、様々なブランドからスーパーカブ専用に開発されたアクセサリー類も多数発売されている。豊富なパーツで車体をカスタマイズし、用途や好みに合わせ「自分だけの一台」に仕上げることができるのもスーパーカブ人気の理由の一つとなっている。