テレ朝に対抗できるのは日テレ?
『ザワつく』は主に中高年の視聴者から高い支持を集め、レギュラー放送されている金曜19時台の視聴率でも他の追随を許さない。この世代をメインターゲットとするテレ朝の看板番組だ。今年は同局の連続ドラマ『大追跡~警視庁SSBC強行犯係~』とコラボした「高嶋ちさ子殺人事件」を予定。5年連続民放トップをとれば、快挙と言えるだろう。
この『ザワつく』の民放トップを阻止しようとしているのは日本テレビ。近年は『笑って年越し!』、『THE笑晦日』、『ぐるぐるナインティナイン』の「ゴチになります!」とお笑い色の強い特番を編成していた。
しかし、かつて民放トップを毎年獲得していた『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』の「絶対に笑ってはいけない」シリーズを惜しむ声は終了から5年経っても根強く、「日テレの大みそか=ガキ使」のイメージを覆すことはできなかった。
そこで今年は打って代わり、『有吉ゼミ』の人気企画『ヒロミが解決!八王子リホーム』を放送予定。DIYが得意なヒロミが自ら施工して依頼主の悩みを解消するこの企画は、毎年夏の『24時間テレビ』でも恒例の通し企画となっているが、ついに大みそか戦線にも駆り出された。
ヒロミは『ザワつく』のトリオと同世代で、中高年からの支持も高い。視聴率をとるために、日テレがテレ朝に真っ向勝負を挑んだかたちだ。
一方、フジテレビは『新しいカギ』の大みそか特番で若年層の視聴率を狙う。霜降り明星、チョコレートプラネット、ハナコが全国各地の中高生とあらゆる企画に全力で挑む青春バラエティで、昨年好評だった『FNS27時間テレビ』のベースにもなった。
SNSとの親和性の高い企画構成は、いわば「世帯視聴率よりも、コア視聴率に挑む」というフジのここ数年のスタンスそのものだ。
今年7月に放送されたフジテレビ問題の検証番組では、『新しいカギ』の総合演出を務める田中良樹氏が出演し「テレビ局はタレントのため、タレントはテレビ局のためという番組作りは時代錯誤」「今の時代に合っている楽しさや面白さを再定義していく」と語っていた。
5月には「学校かくれんぼ」がドイツの国際映像祭で銀賞を受賞。再生・改革を掲げるフジのフラッグシップともいうべき番組のさらなる挑戦に注目だ。



















