少数派だからこそ続けられた議員
――あらためて当選おめでとうございます!
龍円あいり(以下同) ありがとうございます。さきの都議選では選挙期間中もワンオペ育児なので大変でした。まず6時45分にベビーシッターさんに家に来てもらって、そのあとは移動支援者の方にニコ(息子)を学校に連れて行ってもらいました。放課後の居場所である学童のお迎えはまたシッターさんにお願いをするんですけど、そうなるとベビーシッター代がとんでもないことになる。
選挙期間中はその支払いで生活費がピンチな状態に陥ってしまいましたよ(笑)。
――8年前、東京都議会議員1期目当選時に、現在のご自身の姿をイメージされていましたか?
していなかったですね。一議員として自分に何ができるのか半信半疑でした。ただ障がいのある子(ダウン症)を育てているシングルマザーという立場だからこそ気がついたアイデア、例えば障がいのある子も、みんなと一緒に遊べる公園を作るといったことを1期目から提案し、幸いにも実現することができました。
今でこそ東京都も「これをスタンダードにする」としてくれますが、当初は「障がい児が遊べていないことに言われるまで気づきませんでした」という反応だったんです。
――龍円さんは“インクルーシブ教育の実現”を一貫して取り組んでいますが、具体的にどんな内容なのでしょうか。
狭い意味では障がいのある子もない子もともに学べる環境作りをすること。広い意味では多様なお子さんそれぞれに合ったカリキュラムを用意し、それを支援できるフレキシブルな学校作りを目指すというものです。
そのとき、私がマイノリティな立場だからこそ、これまで光が当たらなかった部分を照らすことができると気がつきました。その想いがあったからこそ議員を続けられていますね。