小学校4、5年生だと完全に出遅れで…

小学校の受験サイト「お受験じょうほう」によると、2025年の受験者数でも慶應義塾幼稚舎や早稲田実業学校初等部、東京農業大学稲花小など人気校は昨年度より受験者数が増えている。人気校の倍率は10倍を超える狭き門だ。

お受験ジャーナリストによると、受験者数が増えている背景にはある事情があるという。

「かつて、小学校受験(小受)のメインは一部の“上流階級”でしたが、今は共働きのパワーカップルなどそれ以外の層の人たちも参入するようになりました」

写真はイメージです(PhotoAC)
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2016年度、全国の小学校の総数20313校中、私立は230校だったが、2025年度は総数18607校と2000校以上減少しているのに対し、私立は250校と増えている。

都市部での私立小人気にあやかり、特徴を持たせた小学校が新設されているのだ。代表的な学校は、東農大稲花小だ。

「同校は東農大に隣接していて、体験型学習に力を入れています。教育方針に人気があり、中学、高校の偏差値が高い。それだけでも十分魅力的ですが、学内にアフタースクールがあったり、入試の日程がフレキシブルに選べたり、共働き家庭に優しいんです」

写真はイメージです(PhotoAC)
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間口が広がっているのは確かだが、小受の人気に拍車をかけている要因の一つとして中学受験の過熱がある。

子どもが中受を控えるAさんはこう嘆息する。

「こんなことなら、小受をさせておいたらよかった。小受は手間もお金もかかるというけど、中受と比べるとまだマシ。小受は塾通いも1年か2年だけど、中受で大手人気塾に通おうと思うと4、5年生だと完全に出遅れで、上の教室にも入れない。

ウチの小学校は受験が8割、最近都内の人気塾には中国人などの外国人も数多く通っている、中受はもう戦争ですね」

写真はイメージです(PhotoAC)
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都内の中受は熾烈で、大手人気塾では、中受向けのクラスが年長から受けられるそうだ。授業料は、学年が上がるごとに増額される仕組みで、高学年になると模試や夏期講習などを入れると年間で軽く100万円を超え、それが何年も続くのだという。