1回目の離婚は「2度にわたる浮気」
「僕はそもそも結婚願望がないんです。結婚への憧れもないし、『この人と結婚したい』とか、みんなが言う『理想のパートナー像』や『家庭像』っていうものもよくわからなくて…」
胸のうちの微細な感情を、何とか言葉に落とし込もうと、丁寧な口調で語るのは、神奈川県在住の会社経営者の男性・ともさん(仮名、52歳)。結婚願望はないながらも、21歳から46歳までの25年間で4回の結婚と離婚を経験してきた。
初めての結婚は21歳のとき。お相手は中学時代に想いを寄せていた同級生の女性だった。高校卒業後、地元の愛媛で働いていたときに、偶然再会したことで交際に発展し、結婚。子どもにも恵まれ、順風満帆な結婚生活を送っていたが、そんな日々も5年ほどで終わりを告げることに。いったい何があったのか。
「僕の二度にわたる浮気が原因です。いろんなことが順調だと、逆に調子にのってしまって…、完全に若気の至りでした」(ともさん、以下同)
1回目の浮気相手は、飲み屋で出会った2歳上の女性。証拠さえ残さなかったものの、妻の“第六感”が働いたことで尋問を受け白状するに至った。2回目の浮気相手は会社の同僚だったが、相手女性との写真を財布に忍ばせていたことが見つかり、「ライターで燃やされた」という。
27歳で離婚したともさんは、心機一転、長年の夢だったシンガーソングライターを夢みて無一文で上京することを決めた。上京後は上板橋に4畳半の部屋を借り、池袋の西口で弾き語りをする日々。“常連客”のホームレスからも100円を投げ銭してもらうなど、まさにその日暮らしの“極貧生活”を送った。